今後も女房役という立ち位置のオファーは多いでしょうが、「主演の田中圭も見たい」という待望論があるのも事実。実は着々と、その立ち位置が近づいてきているのです。
田中さんは長年、『アイムホーム』(テレビ朝日系)でヒロイン・家路恵(上戸彩)の元恋人で未練を持つサッカークラブのコーチ・本城剛、『家族ノカタチ』(TBS系)でヒロイン・熊谷葉菜子(上野樹里)の元夫・高瀬和弥のような“二番目の男”を務めてきました。しかし、前述したように、今年は“一番手の男”として好演を連発するなど、明らかに立ち位置が上がっているのです。
過去作で印象的だったのは、2014年の大河ドラマ『軍師官兵衛』(NHK)。田中さんは石田三成を熱演して、終盤には主役級の存在感を見せましたが、来年はそのような演技を見せてくれるのではないでしょうか。2017年の隠れブレイクをきっかけに、2018年は田中さんの新境地が見られるのでは、と期待しています。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。