国内

皇室を国民にとって身近なものに変えた美智子さまの歩み

閉鎖的だった皇室の姿を変えていった美智子さま

 天皇の生前退位が報道されて久しいが、ついに2019年4月30日をもって退位されることが決定した。皇后・美智子さまも退かれることとなる。美智子さまは、日本ではじめて民間から皇太子妃そして皇后となられた。半世紀以上歩んでこられた道は、どんなものだったのだろうか。

 美智子さまは、雲の上の存在だった皇室を身近なものへと変えられたといわれている。 結婚翌年の1960年2月、浩宮さま(現皇太子)がお生まれになると、美智子さまは「自分のお乳で育てたい」として、皇室に1000年以上続いた乳人(めのと)と制度を廃止された。

 それから4か月後に完成した東宮御所には、美智子さまたっての希望で約3坪の調理室が設けられた。皇室ジャーナリストの神田秀一さんが語る。

「当時の皇室では、乳人制度の廃止や御所に台所を設置して皇太子妃が料理をするなど前代未聞でした。伝統を重んじる皇室の中には美智子さまの“改革”に批判の声を上げる人は少なくなかったはずです」

 非難を浴びながらも美智子さまは前例なき道を歩まれた。毎朝5時に起床し、御所の庭を40分ほど散策した後、大急ぎで割烹着を着て台所に立ち、浩宮さまのお弁当を作られた。 そのお弁当について、日本の家庭料理の第一人者であり、美智子さまと親交の深い辰巳芳子さん(93才)は過去に本誌にこう明かしている。

「お弁当を開けられたお子さまたちは、お弁当を通して、お母さまとの絆をお感じになりながらお育ちになったと思うのです。また、女官さんは『そのお弁当は思わず見とれてしまうほど、きれいでした』とおっしゃっていました」

 料理研究家のほりえさわこさんが言う。

「皇太子妃でありながら、お子さまがたのお弁当を作られる姿は、皇室の慣例に流されるのではなく、子供を育てるひとりの親として、母の深い愛情を感じました。その姿が世の女性たちに子供にとって食育がいかに大切かを伝えるメッセージとなったのでしょう。美智子さまが切り開かれた『食育』は、現代の母親にとっても目指す理想の形となっています」

 料理だけでなく、子育てにおいても美智子さまは多くの女性に影響を与えられた。浩宮さまが生後7か月の時、公務で渡米を控えた美智子さまは、侍従や看護師に子育て方法を記したノートを残された。それは、浩宮徳仁親王の「徳」の一字から『ナルちゃん憲法』と名づけられた。

関連記事

トピックス

日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《独占スクープ》敏腕プロデューサー・SKY-HIが「未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し」、本人は「軽率で誤解を招く行動」と回答【NHK紅白歌合戦に出場予定の所属グループも】
週刊ポスト
今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン
世間を驚かせたメイプル超合金のカズレーザー(41才)と二階堂ふみ(31才)の電撃“推し婚”
【2025年・有名人の結婚&離婚を総決算】何かと平和な「人気男性タレントと一般女性の結婚」、離婚決断が女性からの支持につながった加藤ローサ
女性セブン
米倉涼子
《米倉涼子の自宅マンション前に異変》大手メディアが集結で一体何が…薬物疑惑報道後に更新が止まったファンクラブは継続中
火事が発生したのは今月15日(右:同社HPより)
《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》サウナ閉じ込め、夫婦は覆いかぶさるように…専門家が指摘する月額39万円サウナの“論外な構造”と推奨する自衛手段【赤坂サウナ2人死亡】
NEWSポストセブン
自らを「頂きおじさん」と名乗っていた小野洋平容疑者(右:時事通信フォト。今回の事件とは無関係)
《“一夫多妻男”が10代女性を『イヌ』と呼び監禁》「バールでドアをこじ開けたような跡が…」”頂きおじさん”小野洋平容疑者の「恐怖の部屋」、約100人を盗撮し5000万円売り上げ
NEWSポストセブン
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン
来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン
迷惑行為を行った、自称新入生のアビゲイル・ルッツ(Instagramより)
《注目を浴びて有料サイトに誘導》米ルイジアナ州立大スタジアムで起きた“半裸女”騒動…観客の「暴走」一部始終がSNSで拡散され物議に
NEWSポストセブン
「みどりの『わ』交流のつどい」に出席された秋篠宮家の次女、佳子さま(2025年12月15日、撮影/JMPA)
佳子さま、“ヘビロテ”する6万9300円ワンピース 白いジャケットからリボンをのぞかせたフェミニンな装い
NEWSポストセブン
オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン