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大谷獲得のエプラーGM 「MLBの至宝」まで説得した大仕事

入団会見で握手する大谷とエプラーGM(時事通信フォト)

 驚きの結果の裏側には、5年に及ぶ一途な思いがあった。立教大学非常勤講師として「スポーツビジネス論~メジャー1兆円ビジネス」の教鞭をとる古内義明氏が解説する。

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 1998年に導入されたポスティング制度開始以来、最多となる球団が参加した大谷翔平の争奪戦は、アナハイム・エンゼルスに軍配が上がって幕を閉じた。2次選考に勝ち上がった「神セブン」と呼ばれる7球団の中で、エンゼルスは大穴中の大穴。大方の予想を裏切る大仕事をやったのけた立役者がビリー・エプラーGMだった。

「結婚や息子の誕生と同じくらい嬉しかった」

 大谷の代理人であるネズ・バレロから入団を伝える電話を受け取った瞬間、エプラーGMは椅子から転げ落ちたという。正直な感想であり、エプラー本人が「まさか」と一番驚いたはずだ。

 生き馬の目を抜くメジャーの世界にあって、この男、すこぶる評判はいい。言ってみれば、「ナイスガイ」だ。カリフォルニア州サンディエゴで生まれたエプラーは投手として活躍し、コネチカット大学野球部時代に肩を壊して、プレーヤーの道を諦めたが、会計学の学士を取得。野球の世界に足を踏み入れたのは2000年のコロラド・ロッキーズのスカウト部門が原点だった。

 日本人選手との深い関わりは、2005年にニューヨーク・ヤンキースのスカウトに転職してからだ。その時代、ヤンキースには松井秀喜と井川慶がいた。フロリダ州タンパにあるキャンプ施設のオフィスを拠点にしていて、何度かその姿を目にしていた。フィールドに姿を現すことは少なく、マーク・ニューマンやデーモン・オッペンハイマーという伝説のスカウトマンからイロハを学び、そして故・伊良部秀輝の獲得に尽力したジーン・アフターマンGM補佐からも影響を受けた。

 分析力に長けたエプラーはいつしかブライアン・キャッシュマンGMの右腕と形容される存在になっていく。2014年にヤンキースがポスティング制度で田中将大を獲得した際、来日を重ねていたエプラーの手腕は確固たるものになった。それ以降、他球団にGMポストの空席が出ると、イの一番に声が掛かるように将来を嘱望されていた。2015年10月4日、エプラーは晴れてエンゼルスのGMの座に就き、念願を叶えることになった。

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