件の『ジャンクSPORTS』は過去、トークに長けた力士を見つけては売り出していったが、復活しても、ヒナ壇すべてに力士を座らせることは、当分の間は難しいのではないか。
カヌーは、16年、リオデジャネイロ五輪で日本人初の銅メダルを獲得した「ハネタク」こと羽根田卓也選手が、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)では明石家さんまから、「ハネタク」を見出した『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)ではマツコ・デラックスと有吉弘行から、そのキャラクターとバラエティーでの勘の良さを絶賛されている。だが、その羽根田選手も、しばらくはバラエティーには出にくいだろう。
水泳も、北島康介氏を始め、キャラが立つうえ、そこに居るだけでチャンネルが留まる五輪メダリストが多数いるが、例の暴力事件が、どう悪影響を及ぼすだろうか。
果たして、今後さらに増えるであろう、スポーツバラエティー番組において、数字を持つアスリートとは、どんな人なのだろうか。
まずは、夏季でも冬季でも直近の五輪でメダルを獲得したアスリートだ。これは、多少トークセンスが悪くても、画も話ももつ。女子であっても、なでしこの澤穂希氏、レスリングの吉田沙保里選手らは間違いなく数字がある。これも川合俊一氏が言っていたことなのだが、「国体やアジア大会で優勝した選手と、たとえメダルの色が良くなくても五輪で活躍した選手とは、メディアでの“その後”の扱いが全く違う」とのことである。
同じく女子でいうと、五輪でメダルを獲っていなくとも、美人は強い。件の小椋久美子氏に潮田玲子氏。『サンデーLIVE?』(テレビ朝日系)レギュラーコメンテーターでビーチバレーの浅尾美和氏、『news every.』(日本テレビ系)キャスターでバドミントンの陣内貴美子氏らは、五輪のメダリストではないが、その美しさや、エピソード豊富なプライベートトークが視聴者に愛される。最近では新体操の畠山愛理氏が引っ張りだこだ。彼女はかつて『ジャンクSPORTS』で「美しすぎる」と話題になっている。
もちろん、いくらキャラクターやルックスが良くても、局内において、バラエティー班が直接アスリートにオファーすることは、よほどの関係性がない限りは難しい。
各種目の協会が厳しいうえ、自社にはスポーツ局という高い壁もあって、なかなか出演には至らないのだが、たとえば陸上の桐生祥秀選手は、リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーのスタート前、明石家さんまの出演番組のDVDを見てリラックスし、それが快挙につながったと公言している。滋賀県出身ゆえ、関西のお笑い番組に精通しており、昨年、『さんまのまんま』(関西テレビ・フジテレビ系)で「一番会いたかった人」と念願の対面を果たしている。