また、同じく笑いがわかっていると評価が高いのは柔道の野村忠宏氏、存在自体にインパクトがあるテニスの松岡修造氏に柔道の篠原信一氏。過去に不祥事があったものの『ワイドナショー』(フジテレビ系)でダウンタウンの松本人志や東野幸治と毎週絡んでいることで劇的にトークの腕を上げたサッカーの前園真聖氏。さらには視聴者が笑いよりも“泣き”を期待するフィギュアスケートの織田信成氏…などなどは、オリンピックイヤーに向けて引っ張りだこになるだろう。
そして、最近、そのトーク力を評価されているのはフィギュアスケートの村上佳菜子氏だ。『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)の新MCに加入したときは「大丈夫?」との声もあったが、「瞬間、瞬間で自分が何を話せばいいかをわかっている」「どんな話を振られても、見事に返す」と共演者が絶賛しているのを聞いた。
いずれも、競技での「記憶」と、スポーツバラエティーでの「記憶」の双方が視聴者の心に残るアスリートたちだ。“トーク力”と言っても、タレント並みのそれを目指す必要はないのである。番組MCには、ビートたけし、浜田雅功、今田耕司、雨上がり決死隊ら、トップクラスの芸人が据えられているからだ。
気を付けなければならないのは、かつてのサッカーの武田修宏氏のように「おバカ」括りで活躍し過ぎ(!)てしまうと、解説者や、実は彼を始め多くのアスリートが目指している監督へのステップに支障をきたしてしまうこと。そこは出るほうも出てもらうスポーツバラエティー番組側も、細心の注意を払っているところだ。
いずれにせよ、キャラの強いアスリートは、たとえ現役を引退したとしても安泰が続くハズ。争奪戦は、日夜激化している。