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2018.02.09 07:00  週刊ポスト

【著者に訊け】中山七里氏 『護られなかった者たちへ』

 理不尽な現実も多々ある中、どんなハンデも個性でしかなくなるのが理想だとは思う。昔はアイツんちは金持ちだとか貧乏だとかが目の大小程度の違いでしかなかったし、別に国が口を出さずとも誰かを助けたり助けられたりする互助会的側面が、本来、人間の社会にはあったはずなんです」

 が、〈恩は別の人間に返しな〉と教えたけいが護られることはなく、護らなかった側が罪に問われることもなかった。その裁かれない罪にどう決着をつけるのか、第三の標的を狙う犯人との攻防が決着してなお答えは宙に浮いたまま。だからこそ苦く、胸を穿つしこりは、私たち一人一人のものとなる。

【プロフィール】なかやま・しちり/1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し48歳でデビュー。構想のストックは常時30近くあり、「今作は河北新報からの朝刊小説の依頼。当時は夕刊紙も含めて12本連載を抱えていたから取材する時間もない。その結果、連載作品がどんどんたまり、隔月で単行本化しても2022年分まである計算です(笑い)」。著書は他に『贖罪の奏鳴曲』『テミスの剣』等。163cm、65kg、A型。

●構成/橋本紀子 ●撮影/国府田利光

※週刊ポスト2018年2月16・23日号

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