関テレの『胸いっぱい〜』は、辛口パネラーの一人として、デヴィ夫人の歯に衣着せぬ発言が存分に聞けるディベート番組だし、TBSの特番『〜オークションの怪人』は“セレブ”としてのデヴィ夫人の目線が見られる。ひじょうにバランスがとれた番組選びと言えよう。
近年、バラエティー番組のスタッフ間で「デヴィ夫人がおもしろい」と話題にされるようになったきっかけは、08年〜14年にかけて18回放送されたフジテレビ系の特番『さんま&くりぃむの芸能界(秘)個人情報グランプリ』の存在が大きい。
それまで、デヴィ夫人のテレビ出演というと、『エクスプレス』(TBS系)の曜日コメンテーターを始めとした“ズバリの物言い”がメインだったのが、『〜個人情報グランプリ』では、ヒナ壇の一人としてバラエティータレントや芸人たちと絡んだり、身体を張ったりする企画がメインだった。
なかでも「ちょっと意外な特技部門」で、デヴィ夫人はポールダンスを始め、文字通り“意外な特技”を披露し、共演者をアッと言わせた。
当時のスタッフから聞いた話では「夫人はチャレンジャーで、こちらの意図以上のことを毎回やってくださる」とのこと。終盤では体力測定のような企画もあったのだが、明らかに負けず嫌いなデヴィ夫人がトップを目指して何度も挑戦したり、番組を盛り上げるために小道具だか衣装だかを「家まで取りに帰られたこともあった」と聞いた。
チャレンジ精神旺盛で、常にトップを目指して一生懸命なデヴィ夫人が、別のタレントを優勝者に選んだ小島瑠璃子に対し激怒したこともあった。
「新しいことに挑戦するのは怖くないわ。怖いのは挑戦する気持ちを失うことよ」とはデヴィ夫人本人の言葉。その信念が、現在すべての出演に活かされているように思う。
そしてデヴィ夫人をさらなる“視聴率タレント”に押し上げたのは『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)だ。
好感度が劇的にアップし、バラエティー番組でのスタンスやニーズも激変した出川哲朗と共に過酷な海外ロケに出ては、何か必ず「新しいことに挑戦」してくるデヴィ夫人。