即位から半年後の11月に行われるのが『大嘗祭(だいじょうさい)』だ。
「宮中祭祀の中で最も重要といわれる五穀豊穣を祈念する『新嘗祭(にいなめさい)』のうち、天皇が即位して初めて迎える際に特別に大嘗祭と呼びます。即位の儀式においても重視され、かつて、大嘗祭を終えていない天皇はまだ天皇になり切れていない『半帝』と呼ばれたともいいます」(前出・皇室ジャーナリスト)
大嘗祭では、その年に「悠紀田(ゆきでん)」と「主基田(すきでん)」で収穫された米が用いられる。京都より東側に悠紀田、西側に主基田が定められるが、その具体的な場所の決定方法は『亀卜(きぼく)』といって、亀の甲羅を焼き、その割れ方で場所を決める古来の占いによるものだ。
「問題の1つは、かなりの大きさのウミガメの甲羅が必要になる反面、個体数の少ないウミガメは、ワシントン条約で輸入が厳しく規制されているため入手が困難なことです。
もう1つは職人不足です。前回の大嘗祭の際には、都内に住む当時70代のべっ甲職人が甲羅の加工を担いました。そのかたは昭和天皇の大嘗祭の時にも父親に付き従って作業に携わったそうで、約60年前の記憶を頼りにした作業でかなり苦労があったようです。今回も甲羅の加工という慣れない作業を担える職人探しも、大きな課題となるようです」(前出・皇室ジャーナリスト)
大役を終えられた両陛下は、どのようなお気持ちで新時代のスタートをご覧になるのだろうか。その日は着実に近づいている。
※女性セブン2018年5月31日号