「ビジネスとして考えれば、胸キュンものはすごく効率がいい。クランクインから劇場公開まで2~3ヶ月でやってしまうこともある。でも、制作費やかかる日数のわりに観客動員がいいからと、胸キュンものばかり映画が多すぎたんでしょうね。とはいえ恋愛がテーマの少女漫画はいつの時代も人気なので、変化をつけた企画を考えないと」(前同)

 いわゆる胸キュン映画を見に行くのは、中高生や大学生の女性グループやカップルが多い。複雑な物語に慣れていない若年層向けだからと、似たような映画の数が多すぎて、限られた客の奪い合いが起きている。また、彼らにとって、魅力的な同世代の主演俳優・主演女優の数が足りていないことも胸キュン映画を観に行く気持ちを削いでいるのではないかとの見方もある。

「主演が誰なのかは観客動員に影響が大きいです。とくに女性にその傾向が強い。桐谷美玲や本田翼は同性人気が高いですが、もう制服を着るヒロインはやらないでしょう。最近のヒットを呼ぶ女優の代表格である土屋太鳳も23歳になりましたし、大人の女優へと路線転換する日はそう遠くないはず。彼女たちのことが好きで見に来てくれていた女の子たちも、だんだん社会人の年齢になって胸キュンものは卒業してるんでしょうね。世代交代の波を感じます」(映画PR会社スタッフ)

 あと数年したら「胸キュン」という単語さえもが、どこか懐かしい言葉に変わってしまうのかもしれない。

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