芸能

あの麗しき「胸キュン」映画ブームは終わったのか

胸キュン映画を牽引してきた土屋太鳳も23歳

 5月、とあるメディア企業の会議室で、スーツを着た中年男性から「胸キュンは、もう難しいかもしれない」という報告がされた。

 ここでいう「胸キュン」とは、主に少女漫画を原作とした恋愛映画のこと。制服姿の高校生が主人公となることが多く、十代~二十代が主な客層で、2010年代になって作品数が増え続けた。2014年のユーキャン新語・流行語大賞のトップテンに選ばれた「壁ドン」は、胸キュン映画のひとつ『L(ハートの絵文字)DK』(エルディーケー)で山崎賢人と剛力彩芽が漫画の通りに再現したことがきっかけで広まった言葉だ。社会現象も起こした胸キュン路線だが、ブームに終わりがかなり見えてきたらしい。

 ここ十年ほど胸キュン映画ブームは続いていた。前出の『L(ハートの絵文字)DK』が公開された2014年以降、興行収入が目立つ作品だけを並べても、かなりの数になる。

『ヒロイン失格』(桐谷美玲、山崎賢人、2015年、興収24.3億円)
『ストロボ・エッジ』(福士蒼汰、有村架純、2015年、興収23.3億円)
『アオハライド』(本田翼、東出昌大、2015年、興収19.0億円)
『orange-オレンジ-』(土屋太鳳、山崎賢人、2016年、興収32.5億円)
『青空エール』(土屋太鳳、竹内涼真、2016年、興収12.5億円)
『黒崎くんの言いなりになんてならない』(小松菜奈、中島健人、2016年、興収12.3億円)
『オオカミ少女と黒王子』(二階堂ふみ、山崎賢人、2016年、興収12.1億円)
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(小松菜奈、福士蒼汰、2017年、興収18.5億円)
『ひるなかの流星』(永野芽郁、三浦翔平、2017年、興収13.7億円)
『PとJK』(土屋太鳳、亀梨和也、2017年、興収10.1億円)

 毎年、当然のように10億円超を複数、生み出してきた胸キュン映画。だが、前出の会議があった映画の制作委員会にもよく名を連ねるその企業では、自社が出資したか否かにかかわらずゴールデンウィークの動向を注視した結果、動員力に陰りが見えてきたと判断した。

「ゴールデンウィークは『名探偵コナン』『アベンジャーズ』といった大人気シリーズがありますから、1位を胸キュンものがとるとは予想していませんでした。ただ、公開した週末のランキングで『となりの怪物くん』(土屋太鳳、菅田将暉)が6位、『ママレード・ボーイ』(吉沢亮、桜井日奈子)が8位。もう少し健闘するかと思ったんですが……」(制作委員会の関係会社営業)

 2018年4月28日~4月29日の全国映画興行ランキング(興行通信社発表)をみると、1位は公開3週目の『名探偵コナン ゼロの執行人』、2位は公開したばかりの『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、3位は公開2週目の『レディプレイヤー1』だった。初週がふるわなくても持ちこたえれば希望はもてる、と翌週末のランキングをみると『となりの怪物くん』は7位となんとか10位以内にとどまったが、『ママレード・ボーイ』は圏外へ。かなり苦戦している様子がうかがえる。

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン