◆読売新聞は1年間に20回発行した
一般的に号外は、朝刊や夕刊に載せるのが間に合わない時間帯に入ってきた事件、事故、災害などの重大ニュースが対象になる。とはいえ、新聞社により号外が出されるニュースはかなり異なる。
号外を出す基準は何なのか。また、いつ誰が発行を決めるのだろうか。毎日新聞社社長室広報担当が説明する。
「基本的には、朝刊、夕刊の新聞製作をしていない時間帯(14時~18時ぐらい)に発行し、社会的影響が甚大であることが基準となります。最終的には、編集編成局や東京代表室など関係部署の担当者が連絡を取り合い、発行の判断をします。
2016年8月8日の午前に『イチロー3000本安打』、午後に『天皇陛下のお気持ち』と、1日2回発行した珍しいケースもあります」
2017年に20回も発行した読売新聞のグループ本社の広報部は「号外は、少しでも早く伝えるべきニュースだと判断した場合に発行しています。ニュースの重大性、公共性、公益性などを総合的に考慮して発行するかどうかを決めます」と回答。
号外の編集を担う朝日新聞・東京本社東京編集センターの担当次長は「ニュースとしての鮮度や価値が高いかどうかが判断材料の一つになります。夕方に入ったニュースで全国的に朝刊に入る場合であっても、『これは先にお知らせしたほうがいい』 『人々が驚きをもって受け止めるだろう』と思われる重大ニュースの場合は、号外を出すことがあります」と話す。
各社で発行の判断基準は異なるが、傾向としては、オリンピックで日本人が金メダルを獲得した時、日本人がノーベル賞を受賞した時などは、ほぼ号外が発行されるようだ。皇室関係の大きなニュースも号外になることが多い。
※週刊ポスト2018年6月15日号