国内

日本の女性政治家に「右寄り」が目立つのはなぜなのか

防衛大臣を追われた稲田朋美氏も右派(時事通信フォト)

 小池百合子・東京都知事、稲田朋美・元防衛大臣など女性政治家29人を論評した『女政治家の通信簿』著者の古谷経衡氏と、同書に登場する女性政治家とは大体面識があるという舛添要一氏。歯に衣着せぬ言論で知られる二人が、このたびトークショーを行った。議題は、昨今の女性政治家はなぜ「保守化」するのか。舛添氏が独自の分析を披露する。

 * * *
古谷:とくに意識していたわけではないんですが、『女政治家の通信簿』で取り上げた論評対象は“右寄り”の女性議員が多くなってしまいました。いや、そもそも、稲田朋美さんや中山恭子さん(希望の党)のように、右寄りの女性議員が目立つ気がします。

舛添:政治家は選挙で票をとらないといけません。例えば、安室奈美恵さんが選挙に出たら、黙っていても通りますよね。

古谷:はい、何も言わなくても当選します。

舛添:でも、いくらタレント議員でも、彼女のような知名度がある方はほとんどいない。そうでない方が政治を挑むときは、ある程度の「資金」と「票」が必要になります。だから街頭に出る。演説して「ぜひ投票してください」と訴える。だけど、いくら人が集まっても、実際に票を入れてくれるかわからない。不安です。

 たとえば公明党の議員は創価学会の方が確実に投票してくれるから、安定感があるわけですよ。一部の労働組合もそう。でも、宗教団体や労働組合とコネクションがある候補者はまれです。そうすると、不安で仕方がない。でも、そこで“ある種の傾向”を踏まえれば、確実に票を投じてくれる集団がいるんですよ。

古谷:なるほど……その答えは予想がつきます。

舛添:それが右翼なんですよ。逆に左翼はほとんど頼りにならないんです。彼らは、格好いいことは言うけれども……。

古谷:実際にはなかなか投票には行かない、というわけですね。なぜですか?

舛添:知的インテリ層は批判は得意なのだけれども、彼らを共感させるのは難しい。だからなかなか投票に行ってくれないんです。朝日新聞を読んでいる方に、朝日と同じ論調のスローガンを訴えたからといって、響かないと思いますよ。知的インテリ層の情熱を湧き立たせるような候補者はなかなかいない。

古谷:冷笑系なんですね(笑)。

関連記事

トピックス

趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田文雄が「闇将軍」になる亡国自民党ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田文雄が「闇将軍」になる亡国自民党ほか
NEWSポストセブン