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2018.07.09 07:00  女性セブン

田原総一朗 生きがいなき時代、独善的凶悪犯は今後も現れる

◆オウム事件が与えた影響

「団塊の世代は仕事にすべてを捧げた“会社人間”が多く、定年後に会社関係のつきあいが切れてしまえばどうしていいかわからず、孤独感を募らせます。その一方で、経済成長を知らない若い世代は目標の喪失がさらに顕著で、小島容疑者のように生きる意味を見失っている者が多い。最近は、佐藤愛子さんや曽野綾子さんら、人生経験が豊富な重鎮たちの言葉が世に幅広く受け入れられていますが、これも、目標を失った時代に生きるための道標を多くの人が望んでいるからでしょう」(田原さん)

 生きがいを見失った若者が引き起こすのが「狂気」とも思える凄惨な事件だ。

 田原さんが「エポックメーキングな事件」と指摘するのは1995年の地下鉄サリン事件。この事件では高学歴の若者がオウム真理教の信者として残虐なテロ行為に手を染め、無辜の市民13人が死亡し6000人以上が重軽傷を負った。

「ぼくは『オウム真理教』教祖の麻原彰晃を、何度も取材していますが、ある時から彼は『ポア』という言葉を使い始めた。『ポア』とは『不幸な人間は殺してあげた方が涅槃に行けて、幸せになれる』という思想のこと。当時、生きがいをなくして路頭に迷っていた多くの若者が麻原の言葉に引きつけられ、未曽有の大量殺人事件に加担してしまった」(田原さん)

 教祖に先導されて、殺人犯と化した若者たちは20年を経て、教祖がいなくとも自ら無差別に他人に牙をむくようになってしまった。

「例えば2016年に神奈川県相模原市の障害者施設で19人を殺傷した植松聖被告は『障害者は生きていても仕方ない。殺した方が社会のためになる』と思い込み、戦後最大級の犯罪に手を染めた。生きがいのない時代が続くかぎり、独善的な正しさに取りつかれ、凶悪犯罪に走る犯罪者は今後も現れるのではないでしょうか」(田原さん)

※女性セブン2018年7月19・26日号

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