萩本欽一の『欽ドン!』シリーズの終了に伴い、急遽制作に取り掛かったという“月9”1作目の『アナウンサーぷっつん物語』は、生放送の回もあったほど。のちに高視聴率ドラマを連発する同枠は、ドタバタの中で始まっていた。

「初期の頃は、ドラマはドラマ、曲は曲と別個のものとして考えられていたようです。そのためか、2つにあまり連動性を感じられなかった。その中で、久保田利伸『You were mine』や田原俊彦『抱きしめてTONIGHT』は、ドラマと曲が結びついたと思える作品でした」

 田原自身が当時、ヒットをこう分析している。
 
〈「いやぁ、徳川龍之介のヒット曲だよ、これは。ドラマとの相乗効果で売れたんだから。でも、曲はいいよね。まあ、ずっと踊ってなかったから、そういう意味でのインパクトがあったのかもしれない。前より雰囲気も大人になってるしな。大人っぽい雰囲気とプロフェッショナルな踊りっていう、そのバランスがうまくいって“カッコいいな”ってことになったんじゃない!?」〉(『週刊明星』1988年9月8日号)

 翌1989年『教師びんびん物語II』で、田原は3年連続で“月9”の主演と主題歌を兼ねることになる。

「ドラマのオープニングで主題歌『ごめんよ涙』(作詞・松井五郎、作曲・都志見隆)が流れると、夕陽に田原のシルエットが浮かび上がる。その映像が歌詞とも合致。田原演じる熱血漢の徳川龍之介というキャラクターにも、見事にハマった歌でした」

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