一方でこの「爆弾発言」は、「一選手の借金に、読売新聞が17億円も面倒を見てくれるのか」という驚きとしても受け止められた。
今回、阿部慎之助(39)をはじめとした同僚の野球用具の窃盗で契約解除となった柿澤貴裕・外野手(23)の借金額は定かではないが、「せいぜい数百万円だろう」(捜査関係者)という。その程度の金額でも柿澤は肩代わりしてくれる相手は周囲におらず“用具泥棒”に手を染めた。
同じ1997年秋、「借金の肩代わり」という文脈は、現在の指揮官・高橋由伸のドラフト逆指名(※同年に導入された、ドラフト対象選手が希望する球団に入団できる制度。2007年のドラフトから廃止)時にもスポーツマスコミを賑わした。
「六大学出身(慶應)の由伸は、神宮を本拠地にするヤクルト入団を希望し、逆指名の意向も伝えていた」(当時のヤクルト球団幹部)といわれる。
ところがドラフト直前になって翻意し、巨人を逆指名。会見の席上、由伸は全く笑みを見せず、目には涙を浮かべていた。
「不動産業を営む父親が抱えた損失を、巨人が面倒を見るという“密約”が背景にあったと囁かれた。後にヤクルトのスカウトが実名で“由伸は60億円で巨人に強奪された”と週刊誌に語って波紋を広げた」(スポーツジャーナリスト)