浴衣を着て夏祭りに出かけ、イケメンから声をかけられ振り向くが、コンタクトレンズを着けてこなかったばかりに、不審者を睨みつけるような目で見つめ、「誰だ?」と心で広瀬アリスのしかめっ面と、それにドン引きするイケメンが印象的な15秒CMだった。
当時の広瀬アリスは、まず「広瀬すずの姉」と紹介されることが多かった時期。「アイシティ」での美人が台無しなブサイク顔のアップは、「ヤケクソになっているのではないか」と一部で言われたほどだった。
が、「思い切りやる」は当時から彼女のモットーだったようで、そのプロ意識が、朝ドラや連ドラ主演へと繋がっているのは間違いないようだ。
4月期は、『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)で、毎回、七変化や大胆な脚線美などを惜しげもなく披露していた長澤まさみに「コメディエンヌ」との評価が多数あがっていた。早々に映画化が決まっていた同作で、長澤がさらなるコメディエンヌぶりをみせてくれるのは確実だろう。
長澤は、ドラマ『コンフィデンスマンJP』の流れで、映画『50回目のファーストキス』のキャンペーンに入ったため、近年、素の面白さが評価されている山田孝之と出演したバラエティー番組でも、「笑いがわかっている人」という評価を得ていたものである。そして『探偵が~』で滝藤賢一とバラエティー番組や情報番組に多数出演した広瀬アリスにも、同様の評価があった。
私はバラエティーの放送作家なので、時折、出てくれる女優に対し、「笑いがわかっている」「バラエティーに理解がある」と評する場面が多々ある。番宣で出てきたとしても、バラエティーの空気に最後まで馴染めず、“爪痕を残せなかった”女優のほうが多いと思う。まぁ、それで全然いいのだが……(苦笑)。
だが、昨今の木村佳乃のように、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)での“女芸人殺し”などを見てしまうと、彼女自身も、それをよしとした所属事務所も、ついでに夫の東山紀之も含め、お茶の間の評価は一気に上がるのだ。今夏、木村は『24時間テレビ41』(同)のチャリティーパーソナリティーに選出された。「青天のへきれき」と本人は驚いたが、『~イッテQ!』でアップさせた好感度から派生した大役だったことは間違いないだろう。