『天皇論 平成29年』著者の小林よしのり氏

小林:もともと「天皇は政治的な発言をするな」と主張するのは左翼だったんだけど、退位については右も「憲法違反だ」と、天皇を封じ込めようとした。安倍首相の周りの連中は皇室を政治利用するだけで、本当は全然尊敬していないので、平然と「退位させない」というわけです。天皇を担いで自分勝手にやろうと、「玉(ぎょく)を取った」気でいるんだ。

矢部:けれどもそれに対し、ビデオメッセージで強い意志を表明され、国民もまたそれを支持しました。

 今上天皇はご成婚時、将来は皇居を公園として開放し、ご自身は街なかに住んでそこから皇居内の“職場”に通う“職業天皇制”を実現したいと友人に語られたと報道されました。それは実現しませんでしたが、普通の家庭をつくり、自分たちの手で子供を育てたいという希望は通された。その家庭に支えられることで、個人の人権については自らの意志を貫く「新しい力」を得られたのだと思う。その力は次の天皇陛下にも受け継がれていくと思います。

◆一緒に祈るだけではダメ

小林:その一方で、天皇の本来の仕事である“祈り”もまったくおろそかにしてこなかった。そこがすごい。

 天皇は平和を祈る。だけど、国民の側は一緒に祈っているだけじゃダメなんですよ。平和をどのように実現するかを考えなければならない。「今まで戦争がなかったんだから、今のままがいい、憲法もそのままでいい」という風にはわしは考えない。平和を維持するため、どこからどこまではOKで、何がNGか、自衛権に縛りをかける憲法改正が必要だと考えている。

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