〈理想国家作りの夢破れた左筋(ひだりすじ)の連中は、目的、着地点がなくなり、今や、保守政権が繰り出す政策に対して、とにかくなんでもかんでも反対と言うしか生きる道がなくなってきている。(中略)こういうご都合主義を自覚せず、つまりは矛盾に気づかず、その場その場での正義の旗を掲げている。かつては元気だった左筋の成れの果である〉
加地氏が続ける。
「安保法案も秘密保護法も、成立まではあれだけ猛反対していたのに、法案通過後は途端にトーンダウンする。反対デモの連中と同じです。一点突破で主張し続ける努力や覚悟もない、高みで見物している野次馬です。
左筋ジャーナリズムは絶滅寸前ですが、その特徴はテレビのキャスターやコメンテーターたちに受け継がれています。地元の大阪では『ミヤネ屋』の宮根誠司が大人気ですが、スタジオのいろんな人に話を振って、最後に愚にも付かないまとめ意見を言うだけ。なんの具体性も説得力もない。持論を語る覚悟がないんです。
テリー伊藤に関しては、人様のスキャンダルについて上段から正論を述べていますが、言いたくはないが自分も過去に不倫を報じられているではありませんか。なぜそれをまるでなかったことにして他人のことは批判できるのでしょうか。
長嶋一茂に至っては、なんの取り柄も知識もない単なる素人にしか見えません。説得力のない『うわべだけの正論』こそ偽善であり独善。テレビを薄っぺらくする原因となっている」