芸能

徳永有美アナへの「不倫経験者はキャスター失格」批判に異論

不倫経験にいまだに批判の声が…(写真/ロケットパンチ)

 10月から『報道ステーション』(テレビ朝日系)のキャスターを務めるフリーアナウンサーの徳永有美。テレ朝のアナウンサーだった彼女は社内結婚していたが、2003年に内村光良との不倫が報じられ、担当番組を軒並み降板。その2年後に内村と結婚し、テレ朝を退社した。以降、2児の母親として、そして妻として夫を支えながらも時々はフリーとして仕事をし、昨年からAbemaTVでキャスターも務めている。

 そんな徳永アナが、長いブランクを経て地上波報道番組に本格復帰することについて、ネットなどでは「不倫したのになぜ?」「不倫経験があるのに報道番組に出るなんて…」などと騒がれている。なぜ徳永アナは当時のことを蒸し返されているのか。著作家の北原みのりさんが直言する。

 * * *
 まず、「不倫経験者は報道番組のキャスターにふさわしくない」という批判から、疑問に思います。不倫に対しては、女子アナに限らず政治家や芸能人も非難されます。ただそこには、男性には甘く、女性には厳しいというWスタンダードがあります。現に、不倫した男性で、番組を降板せずキャスターを続けているかたは多いですから。

 当時、徳永さんは「信用ある言葉を語るべくキャスターが、性的な不祥事を起こした」と激しく非難され、番組で謝罪するほど追い込まれました。その後降板し、局を退いたわけですが、その理由として男性がよく言うのは「不倫は主婦層に反感を買うから」。でも、本当の理由は別にあると思います。

 徳永さんは当時既婚者で、お相手の内村さんは独身でした。ですから、相手の家庭を壊したわけではなく、問われたのは彼女の貞操観念でしょう。繰り返しますが、彼女のように独身相手と不倫した既婚男性の有名人は山ほどいます。それなのに彼女だけが謝罪、降板、退社まですることになったのはなぜか? 私は「男が怒った」からだと考えています。

 相手は超売れっ子の芸能人。徳永さんは「金と権力に寄った女」。そして被害者は、一般のサラリーマン。男性は徳永さんの不倫報道を見て、「妻を寝取られてしまった夫」に同情し、「自分も寝取られたらどうしよう」という恐怖を持ち、不倫相手の内村さんに嫉妬心を持っていた…。そうした心情が、男性の怒りとなり、やがて世間全体の怒りにつながったのでしょう。

 今も昔も、組織は男性寄りです。あくまでも推測ですが、社の上層部は、彼女の夫だった社員に同情的で、組織として男性を守ったのかもしれません。その結果、徳永アナは番組降板や退局することになった。

 そして、キャリアを10年以上も断絶させられることにつながった。2児の子育てに追われているといっても、今の時代、子育てしながら働いている女性は大勢いるわけですから。そして、ようやく本格的に復帰しようとしている今も、「男の怒り」が持続しているのか、女性を罰したいだけの理不尽な批判が向けられていると思います。

 徳永さんは、どれだけつらくて怖い思いをしたんだろうと思います。あれだけ人気だったアナウンサーが不倫でキャリアを10年以上も中断させられるなんて、男性ではあり得ません。不倫の事実自体は肯定できませんが、代償が男性に比べて大きすぎます。

関連記事

トピックス

”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン