そして、ドラマがまだ終わらないうちに華丸にインタビューを受け「あのセリフの背景はこうだった」「書くのを迷ったセリフはこれ」などと事細かに解説。従来は黒子的存在だった脚本家が、こうもWebやテレビに出張っては語り「登場人物の一人」となったのも、NHK朝ドラでは見られなかった「珍現象」と言えるでしょう。
「これまでにない朝ドラに」と強く意識していたのだろうと思いますが、そうは言っても……やってはいけない禁じ手というのもあるわけで。
北川氏はTwitterで「この放送回は神回」などと繰り返し予告しました。いくら過去に「恋愛ドラマの神様」と呼ばれていたとはいえ、自分が書いているドラマで「神回」の予告とはいかがなものか? 神はそんなに軽くない。そして、作品から神を感じとるのは、間違いなく脚本を書いた人ではなくて、視聴者のはずです。ドラマに「神の存在」があるかどうかを判断するのは、鑑賞側のばずです。
いくら他にはない斬新な朝ドラを狙ったからといって、神回予告というものだけは、「それを言ってはおしまい」の禁じ手であり、踏んではいけない虎の尾だったのではないでしょうか。