新宿区の新大久保駅周辺が、外から遊びにくる人たちで賑わう週末を迎えるのは、今回が初めてではない。2004年にドラマ『冬のソナタ』放送によって第一次韓流ブームが起きた頃、韓流スターのグッズや韓国雑貨、料理店などが急増しコリアンタウン化して多くの韓流ファンを呼び寄せた。その後いったんブームは静まったが、2010年代初めにK-POPグループが日本で人気を集め、第二次韓流ブームがやってきて、新大久保駅周辺に、ふたたび多くの人がやってきた。
JR東日本は毎年、各駅の乗車人員(※列車に乗った人)トップ100を発表している。東方神起や少女時代、KARAがNHK紅白歌合戦に出場した2011年度には、新大久保駅は4万2千433人と初めて4万人を突破し初めて100位に入った。だが、ブームが去ると新大久保駅の乗車人員は減少し、再び100位圏外に。ところが、2016年度には前年比9.8%増で4万8220人となり、99位になった。
新大久保駅の前年比増加率9.8は極めて高い数字で、トップ100位内に前年比で5%以上の増加をみせた駅はほかにない。前述のように入場規制になることが増えており、新大久保商店街振興組合は2018年4月にHPで「特に、16時から19時ころの間は、大混雑することがあり、入場規制をすることがあります」と混雑についての注意を呼びかけているほどだ。
ところが、新大久保駅は大きな問題を抱えている。山手線で唯一、エレベーターもエスカレーターもない駅なのだ。日常的に電動車椅子で移動する新宿在住の50代男性は「ようやく工事が始まった」と言う。
「敷地の権利の問題がややこしかったらしく、なかなかバリアフリー化がすすまなかったのですが、ようやく工事が始まって、2019年度にはエレベーターが使えるようになります。2020年東京五輪までに、駅舎も新しくなるそうです。もともと小さい駅なので、今のように大勢の人が来るとすぐに入場規制になります。なので、少し歩きますが中央線のJR大久保駅は空いていますし、地下鉄の東新宿駅も最寄りですので、私はそちらを利用しています」
第三次韓流ブーム、第二次K-POPブームはまだ続く気配が濃厚だ。山手線だけが止まる、ホームがひとつだけの新大久保駅では、入場規制がかかる週末がしばらく続きそうだ。