マネジャーになって驚いたのは、そのスケジュールだった。朝から始まった仕事は夜になっても終わらず、遅いと午前3時頃まで続いたという。
「秀樹さんはその後に飲みに行くから大変でした。行きつけのバーで出会った人たちと意気投合して朝まで飲んで、起きませんから(笑い)。
秀樹さんは誰にも分け隔てなく同じ対応をされるかたでした。芸能人より一般の人とよく飲んでいた印象です。寂しがりやだったので、多忙な芸能人より誘いやすい人がよかったのでしょう。とんねるずさんとは彼らが売れる前、ショーパブで働いていた頃からの仲。でもとんねるずさんが売れ始めると、秀樹さんは距離を置くようになりました。彼らの番組に呼ばれた時には、“おれが出るとあいつらが遠慮して面白さが出ないから”と断っていました。いつも相手のことを第一に考える人でした」(片方さん)
“気配りの人”だった秀樹は一転、歌うときは“自分勝手”だったという。
「誰の真似でもなく秀樹さん独特の感性で“いちばんかっこよく歌う”ことができる人。よくロックに日本語を乗せて歌ったハシリだといわれています。なぜ、あんな歌い方ができたのか、本人は近くに岩国の米軍キャンプがあったことで、幼い頃から海外の音楽をラジオで聴けたことが影響している、と言っていました」(片方さん)
歌えて踊れて、演技もできて、そして長身でハンサム。その上、共演者やスタッフの間でも評判になるほどの人柄のよさ。異性が放っておくはずがない。秀樹には常に、恋の話がつきまとった。
岩崎宏美(60才)、中村江里子(49才)、長谷川理恵(44才)…多くの女性と交際、そして結婚の噂が飛び交った。特に女優の十朱幸代(75才)との交際は、秀樹の方が13才も年下ということでも注目され大々的に報じられた。しかし、45才になっても独身のままだった。そして、ひとりの女性に出会う。のちに妻となる美紀さんだった。
(文中、敬称略)
※女性セブン2018年11月29日・12月6日号