47才で初めて父になった秀樹は子供のことを話すのが大好きだった


◆スターへの転換期は貫太郎と『YOUNG MAN』

 翌1974年には『傷だらけのローラ』の大ヒットで、スターの座を不動のものに。さらに同年、ドラマ『寺内貫太郎一家』(TBS系)に出演。作曲家の小林亜星(86才)演じる貫太郎の息子・周平に抜擢されると、俳優としての勘のよさも披露した。

「歌手なのに、けがもいとわない体当たり演技が話題となりました。この作品で知り合った小林さん、樹木希林さん(享年75)、浅田美代子さん(62才)は、彼の一生の友人となりました。小林さんからは1999年にアニメ『ガンダム』の主題歌のオファーをいただきました。このとき、秀樹さんは“ガンダムって面白いの?”というレベルでしたが、周囲が“絶対に断っちゃダメ”と後押しして、実現しました。その後も“おれ、ガッチャマンの曲歌うんだろ?”と勘違いしていましたが(笑い)。

 樹木さんと浅田さんとは、温泉旅行に行ったことも。2人だけで秀樹さんのバリの別荘に行って遊んでいたこともあった。共演者との親交はずっと続きました」(前出・レコード会社関係者)

 1979年には、周囲を説き伏せてアメリカでヒットしていた『Y.M.C.A.』をカバーし、シングル『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』として発表。すると、瞬く間に、全国にあの歌とダンスが広まった。人気番組『ザ・ベストテン』(TBS系)では9週連続1位に輝き、うち2回は9999点の満点をたたき出した。振り付けは、秀樹自身が決めたものだった。

「アメリカ・ロスに行った時、カーラジオから流れる『Y.M.C.A.』に心奪われた秀樹さんが、これを原曲に歌詞を書き換えて作ったんです。レコード会社は“外国曲は売れない”と猛反対しましたが、秀樹さんが“絶対に歌う”と押し切った。結果的に圧倒的な人気を得ました」(スポーツ紙記者)

 1983年、個人事務所を設立。『ギャランドゥ』をヒットさせ、新たなステージへと歩みを進めた。

◆“気配りの人”だった秀樹 歌うときは“自分勝手”

 この頃、秀樹は日本中の女性が熱狂する大スターとなっていたが、私生活では意外な素顔を見せていた。長年秀樹のマネジャーとして連れ添った片方秀幸さんはこうふりかえる。

「私は1984年にマネジャーとして入社したのですが、採用時の面接官が秀樹さんでした。スタジオ収録の合間の楽屋に呼ばれて対面した秀樹さんは、柔和な表情で“この業界ではお茶が欲しいと言われる前にお茶を出せる、そんな気配りと想像力が大事なんだ”と、業界のルールのようなことを説明してくれました。3分程度でしたが、大学を出たばかりのロン毛の若造にも丁寧な対応をしてくれたことに人のよさを感じました。翌日、事務所の方から“秀樹さんも気に入ったようなので、髪を切って明日から来て”と(笑い)」

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン