1週間後の2月12日、阪神OB会による陣中見舞い贈呈式が催され、OB会長の川藤幸三氏が「優勝して、いい酒を飲まんかい!」とハッパをかけた。今キャンプは吉田義男、掛布雅之、岡田彰布、真弓明信、江夏豊といったOBたちが視察したが、金本知憲・前監督は一度も姿を見せていない。
「金本氏が顔を出さないのは、矢野監督への配慮があってのことでしょう。矢野監督が今年のキャンプテーマに掲げたのは、『自主性と競争』。“やらされる練習に意味はない”と考え、昨年までの金本氏の厳しい指導を反面教師にしている側面がある。ただ、矢野監督のこの方針には、OBから“練習が緩すぎる”という批判的な声もあがっている」(前出・番記者)
そんな中での矢野監督による“臨時コーチ”招聘は、阪神OBの目にどう映っているのか。生え抜きとして球団初の2000本安打を放った藤田平氏はこう語る。
「他球団のOBが教えるのは善し悪しだと思うな。1日で教えられるもんやないし、それができるならコーチが不要になってしまう。ワンポイントアドバイスだからこそ、選手がどう受けとめているかが問題。シーズンが始まって“もっと教えてくれ”と頼める相手ではないからね。
今季から加入した西勇輝(28)とガルシア(29)で20勝の上積みが期待できる。今年の阪神は面白いだけに、雑音はできるだけ少ないほうがいい」