その様子が報じられると、「なんで中日のOBばかり?」と疑問に感じた虎党も多かったようだ。熱狂的な阪神ファンで知られる関西大学名誉教授・宮本勝浩氏もその一人だ。
「阪神は、巨人と並んで生え抜き意識が高い球団です。優れた成績を残したOBも多いだけに、他球団OBに頼らないといけないとすれば複雑な気持ちです。確かに野村克也さん、星野仙一さんと“外部の血”を入れて強くなった過去もあるのですが……」
在阪スポーツ紙のベテラン記者が語る。
「阪神で他球団のOBがこれほど積極的に指導するのは初めてではないか。ブルペンの捕手側のネット裏は、基本的に評論家か関係者以外は立ち入り禁止で、どこのキャンプもその球団のOBが多い。阪神OB陣も連日視察に訪れますが、監督や選手と談笑はするものの、練習中のブルペンやグラウンドで直接指導することは滅多にない。そんな“聖域”にライバル球団の元看板選手たちが入ってくるわけですから、戸惑いを感じたベテラン選手も少なからずいたようです。
異例の臨時コーチは、現役時代、中日に7年間所属した矢野監督の“古巣人脈”で実現した。キャンプを訪れた旧知の3人に指導をお願いしたそうです」
◆「コーチを信用できなくなる」