司会:安倍首相の総裁任期は残り2年半。自民党内にはポスト安倍の有力候補が見当たらず、二階俊博・幹事長は党大会の囲み取材で「安倍四選」説をぶちあげ、二階派の林幹雄・幹事長代理、安倍側近の加藤勝信・総務会長らも同調し始めた。このまま安倍政権が続いていくのか。
記者D:二階さんは有力な後援者に真意を問われてこう語っています。「このままだと安倍首相はレームダックになっていくから、林にも“四選ありうるんじゃないか”と言わせたんだ」と。
記者A:自分の権力基盤を守るためには、総理の求心力が衰えては困るからね。二階さんは細野豪志の派閥入りで同じ選挙区に候補を抱える岸田文雄・政調会長と対立し、福岡知事選では麻生太郎・副総理と見えざるバトルを展開している。
二階側近の林幹事長代理が四選に言及したのは、白金台の中華料理屋で開かれた安倍総理の同期会(2月18日)の席だった。総理が「次の総裁候補は岸田(文雄)さんだよね」と水を向けたのに対して、林氏が「四選」と釘を刺した。このところ総理が「次は岸田でいい」と語ったというメモが流れているから、二階さんは“そうはさせない”と四選論を煽って牽制している。
記者D:麻生さんと二階さんのバトルもガチンコ。福岡知事選では幹事長特別補佐の武田良太氏ら二階派議員が推す現職が優位に立ち、麻生さんが立てた新人候補の旗色が悪い。二階派議員たちは幹事長の威光を背に「現職を応援しても党本部から処分されることはない」と公言していて、麻生さんはすっかり拗ねてしまった。番記者も知事選の情勢を聞けるムードじゃない。老獪な二階さんは、安倍四選と言いながら、首相の任期満了が見えてきたという“権力の空白”に乗じてしっかり勢力を拡大している。
記者B:四選論はどこまで本気なのかねえ?