国内

美智子様の側で過ごした内掌典が生前明かした知られざる1日

結婚60年の祝賀行事を終えた天皇皇后両陛下(時事通信フォト)

結婚60年の祝賀行事を終えた天皇皇后両陛下(時事通信フォト)

 天皇皇后のご在位30年は、お二人のご成婚60年でもある。その長い年月の出発からの道程を、宮中で間近に見ていた人物がいた。昨年5月に94歳で亡くなった元内掌典の高谷朝子氏である。生前の彼女を数度にわたり取材したジャーナリスト、児玉博氏が、「美智子妃が在位の間は書かないでほしい」との約束のもとに秘めてきたエピソードを、知られざる宮中の様子とともに明かす。(文中一部敬称略)

 * * *
 日韓共同開催によるサッカーワールドカップの熱狂が日本中を包んでいたちょうどその頃、私はある宮内庁関係者に伴われて、皇居和田倉門から皇居に初めて足を踏み入れた。舗装された道をゆっくりと走る。しばらくすると、東京の中心にいることがウソのような、原生林かと見紛うほどの木々が繁茂する。真夏であっても、周辺より2度は気温が低いと言われる皇居の一端はこうした木々のためだろう。

 一般人が立ち入ることができぬ皇居の最深部に車を走らせていたのは、ある人物に会うためだった。名は高谷朝子。内掌典という、聞き慣れぬ肩書きを持つ78歳の老女である。

 内掌典──。ナイショウテンと読むこの肩書きは、「宮中三殿」と呼ばれる賢所(かしこどころ)、皇霊殿、神殿の3つの社にお祀りしている神々に仕える女性の内廷職員のことである。男性のそれは掌典と呼ばれる。この聞き慣れぬ役職を持つ人々は、宮内庁の職員とは違い、天皇が個人として生活の面倒を見ているのだ。

 賢所には天照大御神が、皇霊殿には神武天皇に始まる歴代天皇、皇后、皇族の面々が、そして神殿には天地神祇、八百万の神々が祀られている。

 外部からはまったく窺い知ることができぬ皇居の内側で、彼女ら内掌典と呼ばれる人々がどのような日常生活を過ごしているのか。天皇や皇族とはどのような関わりを持っているのか。そもそも、どういった者がそこにいるのか。興味は尽きなかった。

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン