スポーツ

貴景勝は「横綱になれない」致命的弱点をデータで徹底分析

大関止まりになってしまうか(時事通信フォト)

 令和の幕開けとなる夏場所(5月12日初日)。初土俵から28場所で日本人力士最速の大関昇進を果たした22歳の貴景勝には、早くも「日本人横綱」への期待がかかる。だが、これまでの全取組329番を詳細に分析すると、不安材料も少なくない。

「175cm(幕内平均184.7cm)と上背のない貴景勝は立ち合いで下からのぶちかましで相手の体を起こし、休まず攻め続けて圧倒する押し相撲が身上。金星狙いの平幕ならそれでいいが、綱を張るにはどうなのか」

 ある若手親方がそう評価するのも無理はない。

 貴景勝がこれまで積み上げた213勝のうち、まわしを取る決まり手による白星は十両時代に「寄り切り」(2016年5月場所)と「寄り倒し」(同11月場所)が一番ずつあるだけ。残りの211勝がまわしを取らない決まり手という典型的な突き押し相撲だ。

幕内で「寄り切り」はゼロ

まわしを取っての勝率は1%

 過去、突き押し相撲を武器に横綱になった力士は存在するが、いずれも四つ相撲でも勝負できた。

「八角理事長(元横綱・北勝海)も突き押し相撲で横綱に登り詰めたが、左四つでも強かった。長いリーチで“若貴”を圧倒した曙も、右四つからの上手投げを得意としていたし、強烈な突っ張りがある朝青龍や日馬富士は、離れて速攻でよし、組んでよしの自在の取り口を武器にしていた。

 一方、大関で突き押し一辺倒を貫いた力士はいずれも横綱にはなれていない。たとえば、千代大海はカド番14回のワースト記録の保持者で、公傷制度(本場所でケガをした翌場所は休場でも番付が落ちない=現在は廃止)がなければ在位2場所の最短大関になったはずといわれたほど。“せいぜい十両クラス”と言われる貴景勝の四つ相撲が上達しない限り、綱取りは厳しい」(別の若手親方)

大成しなかった突き押し大関たち

関連記事

トピックス

前回は歓喜の中心にいた3人だが…
《2026年WBCで連覇を目指す侍ジャパン》山本由伸も佐々木朗希も大谷翔平も投げられない? 激闘を制したドジャースの日本人トリオに立ちはだかるいくつもの壁
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相、16年前にフジテレビで披露したX JAPAN『Rusty Nail』の“完全になりきっていた”絶賛パフォーマンスの一方「後悔を感じている」か
女性セブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン