「『水曜どうでしょう』は僕らの人生そのもの」と語る藤村氏

「『水曜どうでしょう』は僕らの人生そのもの」と語る藤村氏

 そして50代になった今は、役者として舞台に立つ時間も自分の中で楽しい時間となり、楽しみながらもディレクターとは違う、役者さんたちの考え方を同じ立場で共有できる貴重な時間になっています。

 今年からは嬉野さんと一緒にユーチューバーになってチャンネルも立ち上げました。「藤やんうれしーの水曜どうでそうTV」。テレビとはまったく違うアプローチがとても刺激的です。そして、ネットの最前線にいる人たちと会うと、否応なしにテレビの今後を考えさせられます。

 20代のころ、自分にとっての仕事は「こなすもの」でした。面白いものなんかじゃない。でもその時間で得たものが、やがて自分の役に立つことを後から知りました。転職しなくてよかったと心から思います。

 30代のころは、仕事をこなすのではなく、自分で考えてしていました。そのために休日はしっかりと休み、平日はしっかりと仕事をする。そして、40代を過ぎてからは仕事が人生と重なってきました。そうなると休日という概念が自分の中でなくなりました。でもそれはとても楽なことです。

 そんな日々を過ごしている中で、この2年間「水曜どうでしょう」の撮影を少しずつ続けて、今ようやく形になろうとしています。どんなものになるのか? それは視聴者よりもきっと、鈴井さんや大泉さんが一番心待ちにしていると思いますので、“なる早”で編集します!!

●ふじむら・ただひさ/1965年愛知県生まれ。北海道大学卒業後、1990年に北海道テレビ放送(HTB)入社。1995年に東京支社編成業務部から本社制作部に異動。1996年にチーフディレクターとして『水曜どうでしょう』を立ち上げる。現在HTBコンテンツ事業室・クリエイティブフェロー・エグゼクティブディレクター。近著に『仕事論』(総合法令出版/嬉野雅道氏とのインタビュー集)。6月13日より劇団イナダ組・新作公演『刹那イ』に役者として出演予定。現在、札幌・東京公演のチケット発売中。

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