関係が断ち切りがたいとみられているからこそ、八角理事長(元横綱・北勝海)ら協会幹部は“クリーンな角界に変わった”というアピールを続けてきたわけだが、そこに今回のA氏の問題が明るみに出たのだ。
◆「たまたま会っただけ」
東西会は前任会長が2018年9月に死去。現在、トップを務める川井敏彦・会長代行を直撃したところ、「(渡辺二郎が)席に座っている写真が確認されているので、間違いない話ではある」と事実関係を認めた。その上で、経緯をこう説明する。
「本人(A氏)の説明を聞いたところ、自分が呼んだのではなく、体育館に(渡辺が)来ていたところにたまたま出くわし、“東西会の席が空いているから座りませんか”と誘ったそうです。
向こうは最初、“自分の席があるから”と断わったが、それでも“遠慮しないで”と座らせたという。昔、チャンピオンだった頃に知り合い、その後は付き合いがなくて、今回、偶然会ったと聞いています」
前述の通り、大相撲と暴力団との関係は繰り返し問題になってきた。その歴史があるからこそ、維持員券には反社会的勢力の関係者に利用させれば除名の可能性があると明記されている。それをぶつけると、川井氏はこう続けた。
「もちろん協会としては、あってはならないことで、東西会に対して厳しい注意がありました。東西会でも緊急理事会を開き、A氏に厳重注意した。協会には偶然だったという経緯を説明しましたが、処分を決めるのは協会なので、除名などの結論が出たら受け入れざるを得ないでしょうね……。協会の最終的な判断は、まだ示されていない」