協会に見解を問うと、「暴力団関係者として認知されている渡辺氏が観戦していたことは誠に遺憾。当日、認知していたら、即刻退場していただくところだった」(広報部、以下同)としたが、A氏への処分等は「回答を差し控える」と明らかにしなかった。発表が何もないことについては「(暴力団関係者が維持員席で観戦した事実を)これまでも特に公表していないし、今後も公表するつもりはない」とするのみだった。
約10年前のスキャンダル発覚以降、相撲協会は“クリーン”を強調し、2014年には税制優遇措置のある公益財団法人の認定を受けた。暴力団排除とどう向き合うのか、改めてその覚悟が問われている。
※週刊ポスト2019年6月21日号