1990年代にアイドルの司会道を切り開いてきた中居は、時代に合わせて柔軟に対応してきたからこそ、2019年の今も『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)、『新・日本男児と中居』(日本テレビ系)、『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日系)などテレビ5本のレギュラー司会を務めているのだろう。これらの番組は取り上げる話題が毎週異なるだけでなく、出演者の世代もバラバラであり、職種も芸能人だけに限らない。
あらゆる人をまとめ上げるには、相手の心の機微を察知できる能力が不可欠だ。中居は出演者に対する配慮を欠かさないし、視聴者の気持ちに立った振る舞いもできる。
デビュー前、10代の多感な時期にジャニー氏から仕事に対する姿勢を学んだ中居は決して“自分の常識”に捉われないからこそ、時代が変わっても求められる司会者になっている。
●文/岡野誠:ライター・芸能研究家。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)は3刷に。関係者への取材で、ジャニー喜多川氏が田原俊彦の『哀愁でいと』をプロデュースする際の詳細なエピソード、ジャニー氏と田原が『グッドラックLOVE』のレコーディングの時に意見を戦わせた逸話なども綴っている。