麻耶を応援しているのは生島ヒロシ氏だけではない。『バイキング』には、スタジオに同じく大先輩の吉川美代子氏がいて、「アナウンス研修で厳しく指導したのに」「研修が終わったら、この口調に戻ってしまった」と、アナウンサーらしからぬ麻耶の発声に何度もダメ出しをしていらした。
TBSを定年退職して以来、バラエティーに引っ張りだこのせいで、色々「わかっている」吉川氏と麻耶のやりとりは、吉川氏が厳しく言えば言うほど笑いになっていた。
そんな麻耶だが、『~旅サラダ』で宮古島ロケに出て、現地の皆さんと触れ合う様子には、彼女の人柄や可愛らしさが前面に出ていたし、何より、“生あて”のナレーションは、アナウンサーらしく、滑舌も良かったし、間や緩急の取り方も完璧で、「さすが女子アナ」という出来栄えだった。
同時にロケでも「ぶりっこ」は健在で、大げさなリアクションをしたり、突拍子もない食リポをする麻耶に、現地の方が素で驚く場面が何度もあった。スタジオでも神田正輝を始め、レギュラー陣も麻耶を面白がり、温かく迎えていて、土曜の朝にはピッタリな内容となっていた。
彼女と仕事をすれば、「ぶりっこ」は彼女の真のキャラクターであることがすぐにわかるので、みんなが受け入れてくれるのだ。
所属事務所の会長の生島ヒロシ氏、今後、バラエティーで共演する機会も多いハズの吉川美代子氏。そして、もう一人、TBSに麻耶が入社する際の採用担当だった小島慶子という強い味方も麻耶には付いている。『恋のから騒ぎ』ファンだった小島が「あんな子がウチに入ってくれたら…」と公私にわたって尽力し、アナウンサー・小林麻耶が誕生したのである。
後輩ではあるが、田中みな実、吉田明世、宇垣美里ら、TBSからフリーになった女子アナは、みんな逞しく、自由で、輝いてもいるが、彼女たちと麻耶との違いは、件の大先輩たちと直で仕事をしていたこと。麻耶が経験したこと全てを知っている大先輩たちに麻耶は支えられているのである。これは強力なサポートだと思う。
小林麻耶、もう大丈夫だ。