「ホワイト国除外で広範な輸出管理が可能になり、金属加工機や車のエンジンなどに使われる原動機なども対韓規制に適用できます。実際に東日本大震災や熊本地震では日本製品のサプライチェーンが壊滅し、ヒュンダイや韓国GM、双竜自動車の部品に影響が出た。各社ともリスクヘッジで代替品探しを始めているが、日本の部品や技術が本当に輸入できなくなれば、韓国の自動車産業は安閑としてはいられません」(在韓ジャーナリスト)
もちろん、経済戦争の激化は、日本にも負の影響を与える。この先、予想されるのは韓国のなりふり構わぬ日本攻撃だ。
「特に心配なのが福島県産食品へのクレームです。今年4月にWTOが福島県をはじめとした8県産水産物の輸入禁止措置を妥当とする逆転裁定を下したことで、福島問題は韓国にとって最強のカードになった。今後も立場が苦しくなったら、福島問題を繰り出す可能性が高い」(鈴木氏)
ただ、韓国側が報復措置として行なう輸出規制の効果については、かなり限定的だと考えられる。元経産官僚のコンサルタントで、岡山県立大学客員准教授の宇佐美典也氏の解説。
「韓国側が対抗措置として、日本向けのD-RAMやNAND型フラッシュメモリの輸出を絞るという話もありますが、いずれの品目も日本国内に大型の工場がある。悪影響があるどころか、むしろ韓国の輸出規制によって日本の工場の稼働率が上がると考えられます」
※週刊ポスト2019年9月13日号