池江選手の母親は、幼児教室の教室長として、「子供をほめて愛して育てる」というポリシーを掲げる「七田式教育」を実践する。
池江選手が幼い頃は、「ダメなものはダメ」と親が主導権を持って厳しくしつける一方、水泳においては記録や結果を求めることを後回しにして、「できないことはない」と、あくまで娘が自己肯定感を持てるように励まし続けたとされる。
「池江選手の母親が掲げるのは、子供にいろいろなことを体験させて、成功してもうまくいかなくても前向きになることで自立を促す教育方針です。娘に手かざし療法を勧めたことも、少しでも可能性があれば挑戦させてみて、池江選手が前向きになることを目指したのかもしれません」(前出・池江家を知る関係者)
手かざし療法の効果について、上さんは「ない」と断言し、こう指摘する。
「手かざし療法に科学的な効果は認められません。ただし、手をかざすだけなら毒にも薬にもならないが、精神的な安定が得られるケースもある。問題なのは、傾倒するあまり標準治療より重要視してしまうこと。それは絶対に避けなければいけません」
スポーツを通して人々に感動を与えてきた池江選手には今、多くの人が手を差し伸べている。彼女も母親も、その手を選別することの難しさを感じているのかもしれない。
※女性セブン2019年9月19日号