〈中居:最初、たのきんトリオじゃないですか。それ言われた時って、自分で感じることありました?
近藤:たとえばさ、今のSexy Zoneとかさ。Hey! Say! JUMPもいいよ、V6もいいよ、KAT-TUNもいいよ、NEWSもいいよ。俺……「たのきん」だよ?
中居:あの、申し訳ないですけど、やっぱりジャニーさん、「平仮名はないな」って思ったんですかね。それ以降出てきてないんですもん、だって(笑)。〉
おそらく、名付け親のジャニー氏以外、誰しも疑問に感じたネーミングだったのではないか。当時のスポーツ紙には、〈「愛称募集」には二万八千通のハガキが寄せられ〉(日刊スポーツ・1980年5月12日付)と公募で決まった旨が記述されていたが、ジャニー氏は10年後にこう明かしている。
〈一番ムチャクチャに言われたのが、“たのきんトリオ”。記者会見の席上で『冗談じゃないよね。ジャニーさん、いったい誰が考えたの』って記者の方に言われましたよ。まさか僕ですって名乗るわけにもいかないので『ホント、誰でしょうね』ってとぼけていたんですがね〉(SPA!・1990年7月4日号)
『たのきん族』はグループ名ではなく、あくまで愛称である。1999年に巨人・長嶋茂雄監督が2年目の高橋由伸を「ウルフ」と呼んだものの定着しなかったように、マスコミがいくら使っても大衆に受け入れられなければ、愛称は次第に消えていく運命にある。日付順に新聞や雑誌の見出しを挙げながら、浸透の軌跡を見てみよう。