国際情報

反日と親日を使い分け 韓国歴代大統領「対日外交術」54年史

朴正熙氏は国交正常化で5億ドルを得た(共同通信社)

 8月2日、日本が輸出管理上の優遇対象国(ホワイト国)から韓国を除外することを閣議決定すると、文在寅・大統領は「盗人猛々しい」「私たちは十分に日本に打ち勝てる」と日本を強く批判した。だが、国交正常化以降の歴史を見ていくと、韓国の歴代大統領は時に「反日」、時に「親日」へと揺れ動いてきた。その振れ幅が日韓関係に及ぼした影響とは──。

 1965年の日韓基本条約の締結の際、佐藤栄作・首相のカウンターパートが朴正煕・大統領(在任期間は1963~1979年、以下同)だった。

 1961年5月に軍事クーデターで政権を奪取した朴氏は、翌月にはパーティの席上で「昔のことは水に流して国交正常化するのが賢明だ」(2012年5月19日、読売新聞)と公言。日韓交渉を進める方向に大きく舵を切る。その結果、日本から無償3億ドル、有償2億ドルの経済支援を引き出した。産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が解説する。

「当時は韓国より北朝鮮のほうが経済力で優っており、反共のために韓国も急いで経済力をつけなければならなかった。資金の協力を得られるのは日本しかなかった。根強い反日感情から韓国国民は猛反発したが、現実を重視した朴氏は戒厳令を敷いてデモを制圧し、国交正常化に踏み切った」

 この時の5億ドルを日本の政財界が利権化したわけだが、韓国も「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる経済成長を遂げ、朴氏のクーデター時に80ドルだった1人あたり国民所得は、1979年には1200ドルへと飛躍的に伸びた。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン