「優勝しても空気は重い。コーチ陣は原監督の顔色を常にうかがっている。ヤクルトを退団した石井琢朗氏が招聘されるという噂もあり、引退した阿部慎之助(40)の入閣も既定路線。これまでにすでにファームで6人のコーチが退団になっており、“尚広の次に去るのは誰だ”と、コーチ陣は日本シリーズの結果より自分たちの進退が気になっている」
巨人の長年の懸案「正捕手問題」も意外な展開を見せている。シーズン序盤から炭谷銀仁朗(32)、小林誠司(30)、大城卓三(26)の併用が続いたが、終盤になって重要な試合での起用が多くなったのが若手の大城だ。
ヤクルト、巨人、阪神で4番を任された野球評論家の広澤克実氏が言う。
「ここに来て大城が頭一つ抜け出した。CS阪神戦の第4戦、6回表同点で無死一、二塁という絶体絶命のピンチを、大竹寛(36)を上手くリードして切り抜けた。来シーズン、小林を差し置いて大城が正捕手に座る可能性もある」
しかし若手の台頭はチーム内に軋轢を招きかねないようだ。巨人番記者が言う。
「今季の大城は一塁手と捕手でフル回転。原監督から打撃力を買われ“阿部慎之助2世になり得る存在”と目をかけられている。
一方、正捕手だった小林は原監督との相性がイマイチ。“自己管理がなっていない”とグラウンド外の生活態度についても信頼を失っているようで、小林はすっかり落ち込んでいる。
ドラフトでは、大学ナンバーワン捕手で原監督の母校・東海大の海野隆司(22)を上位指名候補にリストアップしていた。結局、海野はソフトバンクに先に指名されたが、小林ら捕手陣に原監督が物足りなさを感じていることがうかがえます」