「茶会の開始は18時が予定されていました。茶会には多くの国会議員も招待されていましたが、たまたまその日は衆議院予算委員会が17時終了の予定。移動や正装への着替えが間に合うか心許ないということで、予算委員会を1時間前倒しすることで、与野党ともに合意していたのです」(政界関係者)
ところが、しばらくすると、茶会の開始が18時30分に遅れたので、予算委員会は予定通りの時間で行われた。
「実は、官邸から宮内庁に“お茶会の時間を遅らせてほしい”という申し入れがあったそうなのです。というのも、予算委員会の前には、想定される質問とその対応を安倍総理に教える『事前レク』が行われます。もし委員会の時間を前倒しすれば、事前レクの時間が朝早くなります。そこで官邸中枢では、“総理は早起きしたくないだろう”となり、だったら“陛下をお待たせして茶会を遅らせた方がいい”となったようです」(前出・政界関係者)
当日、安倍首相はたった30分ほどで茶会を中座。銀座に繰り出して大手マスコミ経営陣と高級ステーキを堪能した。ある皇室ジャーナリストは「皇室の政治利用も目に余る」と指摘する。
「上皇陛下が生前退位の意向を示された2016年から議論を進めていれば、もっと早い時期に改元は行えたはずです。しかし、実際に行われたのは統一地方選や参院選が予定されていた今年の4月。改元の慶祝ムードで内閣の支持率は上昇しましたから、狙い通りということでしょう」
11月10日、政府内で女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」を容認する案が浮上していることが報じられた。
10月26、27日に共同通信が行った世論調査では、女性天皇を認めることに賛成の意見が81.9%を占めた。
「女性天皇容認の世論が強まりを見せる中、頑なに議論を進めないのは、安倍内閣の支持層の多くを占める、保守系の男子男系論者への忖度が働いているからでしょう。そもそも、たとえ議論が進んでも、これまでの皇室に対して敬意に欠けた態度を見ていると、まともな議論ができるのか甚だ疑問です」(政治ジャーナリスト)
宮内庁報道室は「茶会の開始を遅らせたのは国会日程の都合。官邸から申し入れがあったかどうかはお答えできません」と説明する。
いくら万歳三唱を重ねても、安倍官邸の本質は隠せないようだ。
※女性セブン2019年11月28日号