スポーツ

舞の海、炎鵬、鷲羽山など大相撲界で奮闘した小兵力士列伝

令和を代表する小兵の炎鵬は九州場所を大いに盛り上げた(時事通信フォト)

 チャールズ・ダーウィンが適者生存を説いたように、大相撲界で小兵力士は熾烈な生き残りを賭けた闘いを続けてきた。

“ちびっこギャング”と呼ばれた鷲羽山は昭和42年、当時の新弟子検査の合格最低基準である身長173cmしかなかった。人間は起きている間に1、2cm縮むと聞いたため、計測の順番待ちの時間は寝ていたという。

 6年で辿り着いた新入幕の場所で敢闘賞を受賞。昭和50年九州場所で横綱・北の湖から金星を挙げ、昭和51、52年の2年で技能賞を5度獲得。約34年間NHK大相撲中継の実況を務め、現在も本場所に足を運ぶ杉山邦博氏(89)が振り返る。

「前に出ることを信条としながら、多彩な技を駆使して抜群の存在感を示しました。土俵際での播磨投げなど、最後まであきらめない我慢強い力士でした」

 小兵ゆえのケガに悩んだ鷲羽山が3年ぶりに休場なしの1年を送った昭和55年、のちに“南海のハブ”と恐れられる旭道山は新弟子検査の前日に大量の餅を頬張り、当日は水をガブ飲みして、合格最低ラインの70kgをクリア。約9年後の平成元年初場所、99kgで幕内へ昇進。一門外にもかかわらず、「休場明けの横綱が大きく見えるように」と北勝海の土俵入りで露払いに抜擢されたほどの小兵だった。

「正攻法にぶつかっていくからこそ、時折見せる立ち合いの変化が生きた。闘志満々の相撲で国技館を沸かせました」(杉山氏)

 平成5年春場所、立ち合いの張り手一発で久島海を倒した一番は今も語り継がれている。

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン