芸能

阿部寛『まだ結婚できない男』 桑野ロス惜しみ続編待望の声

派手さはなかったが“刺さる”ドラマだった

 〇〇ロス、という言葉が一般化したのはこの2013年の流行語大賞にもノミネートされた「あまロス症候群」以来だからこの6年くらいのことである。気に入った物語のエンディングを見るのは楽しみな一方で寂しいものだ。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が「桑野ロス」を指摘する。

 * * *
 13年前大人気を博したドラマ『結婚できない男』。その続編としてこの秋スタートした『まだ結婚できない男』(フジテレビ系火曜午後9時)もいよいよ大団円。

 一般的にドラマの続編というと、前作ほど人気が出ないケースもよくある。登場人物や設定の焼き直しが裏目に出てしまうケースも。ということで、今回心配の声も聞かれた『まだ結婚できない男』ですが、さてどうだったのでしょうか。

 スタートしてみると、民放ネット配信サイト「TVer」で初回再生回数が125万回を突破(1011日)、制作したカンテレにとって過去最高の数値となりました。まずは期待の中、走り出したことがわかります。そして、9話までの平均視聴率は……ギリギリ二桁に届かない「9.37%」という微妙な数字。

 ただし、このリアルタイムの視聴率に加えて録画視聴分を合算し重複した視聴を引いてみると17%台という数字になる(6話の場合)。前作『結婚できない男』の平均視聴率が16.9%ということはつまり、「前作同様の人気を維持できた」と言ってよさそうです。

 では、中身については? ドラマの世界観はどこか変化したのか、していないのか。今回ドラマが始まる前にわざわざ「13年前のドラマをレンタルして見直してみた」というコアなファンに感想を聞いてみると……。

 偏屈で自己満足でどこか憎めない変人建築家・桑野(阿部寛)も53才となり健康を気遣うお年頃。そこでコンビニで買う商品は「牛乳」から「豆乳」に変化。コンビニ店員も外国人になり、バイトだったパンクなお兄さんはペットショップの健康的な店長へ。一方桑野はいまだ同じマンションの部屋に住み、隣の女が飼うのはパグ犬と数々の要素を細部まで継承しつつも、時の経過の丁寧な描写が見られたあたり、前作からのファンは大喜びしたようです。

 もちろん、前作で重要人物の役だった夏川結衣、国仲涼子、高島礼子の3名が揃って「出演していないのは悲しい」という声が大きかった今作。代わって弁護士のまどか(吉田羊)とカフェ店長の有希江(稲森いずみ)、女優の卵・早紀(深川麻衣)が投入されました。

 桑野とケンカしながらなんだかんだ関係が深まっていくまどか。一方、桑野に対して肯定的なスタンスで「もんじゃデート」までした有希江。二人は好対照。仕事にプライドを持ち結婚なんてしそうもない女と、お一人様にどこか弱腰で男が守りたくなるような女っぽさを出す女という「両幅」を桑野の周辺に描き出していました。

 そして最も印象的だったのは、やはり13年の経過による「時代と社会の変化」が浮き彫りになった点でしょう。

関連記事

トピックス

ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン