芸能

キャッチーでキラキラな「ジャニーズ歌謡」はこうして誕生した

ジャニーズ歌謡の元祖と言えるのは田原俊彦のあの曲

 ジャニーズ事務所のメリー喜多川会長の手紙をきっかけに、12月20日放送の『爆報!THEフライデー』(TBS系)で田原俊彦が25年ぶりに作家の宮下智氏に再会した。ジャニーズ事務所初の『日本レコード大賞』最優秀新人賞受賞曲である『ハッとして!Good』の作詞、作曲者であり、現在は東京・奥沢の『世田谷トリュフ』でショコラティエも務める宮下氏の、ジャニーズ楽曲における功績はなにか。芸能研究家で、『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)の著者である岡野誠氏が1980年の時代背景とともに迫る。

 * * *
 シャネルズの『ランナウェイ』、もんた&ブラザーズの『ダンシング・オールナイト』、山口百恵の『ロックンロール・ウィドウ』などがヒットチャートを賑わせていた1980年6月21日、宮下智氏は声優の古谷徹や野島昭生、三ツ矢雄二などが組んだバンド『スラップスティック』のアルバム『トロピカル』に3曲を提供し、作家デビューを果たした。

 奇しくもこの日、『3年B組金八先生』(TBS系)の生徒役で人気を集めた田原俊彦が『哀愁でいと』でデビュー。当時、売れっ子歌手のいなかったジャニーズ事務所の命運を委ねられた。

 1980年の夏、歌謡界は時代の変わり目を迎えていた。三浦友和との婚約を発表し、結婚後に芸能界から身を引くことを表明していた山口百恵が8月21日、ラストシングル『さよならの向う側』を発売。10月15日の引退に向けて、カウントダウンが始まった。

 9月1日には、1970年代後半に大ブームを巻き起こしたピンク・レディーが解散発表の記者会見を行なった。ミーが「この9月1日を新しい出発の日とします。この4年間私たちは精一杯頑張ってきたので、何も悔いは残りません」と話せば、ケイも「大変充実した毎日でした。ひとつの大きな責任を果たし終え、正直いってホッとしています」と2人とも安堵の表情を浮かべていた。

 そんな激動の中、田原俊彦の2枚目のシングルは作成されていた。ほぼ決定していた曲があったが、プロデューサーのジャニー喜多川氏が納得しない。そこで、キャニオンレコードのディレクター・羽島亨氏(2019年現在フリー)は『スラップスティック』のアルバムで起用していた宮下氏をこの勝負所で指名。船山基紀氏の編曲も相まって斬新な詞と曲、タイトルがジャニー氏のお眼鏡に適い、9月21日に『ハッとして!Good』としてリリースされた。

関連記事

トピックス

”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン