芸能

戸田恵梨香の朝ドラ、今一つ盛り上がらない原因はどこにあるか

番組公式HPより

 どうやら朝ドラの評判が芳しくないようだ。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

 * * *
 NHKの連続テレビ小説『スカーレット』も折り返し地点にさしかかりました。しかし、このところ平均視聴率は20%に届かないことが大半で、特に新年明けてからは2日連続17%台へ。いったいなぜ下降気味なのか。今一つ盛り上がらない原因は、どこにあるのでしょうか?

 主人公は滋賀県・信楽で夫と陶芸に取り組む喜美子(戸田恵梨香)。女性陶芸家の草分けをモデルにした、波乱万丈の人生を描くドラマです。一方、撮影現場では夫・八郎役の松下洸平さんと戸田さんはとても仲が良いようで、「深夜の親密酒現場!」と週刊誌で報じられたほど。この記事が出て「主婦層はスキャンダルが嫌い」という理由で視聴者が離れたのでは、という指摘もあります。しかし、盛り上がらない理由は本当にそこなのでしょうか。もっと根本的なところに問題があるのかもしれません。

「最近朝ドラを一生懸命見なくなった」「今回は録画も消した」と感想を口にする視聴者に理由を聞いてみると、役者の好き嫌いというより脚本や演出について指摘する人が多い印象です。辛口の意見を観察・分類してみると──。

●陶芸という仕事に対する描写が稚拙で不十分、という声

 主人公たちは口は動かすけれど手は動かさず。仕事に対するリアリティがない、職人仕事に見えない、どうやって生計を立てているのかわからない、といった感想が目に付きます。職人仕事といえば身体的にも精神的にも厳しいもの。しかしこの夫婦はテーブルに座って釉薬の具合を見たり、話をするシーンがたしかに目立ちます。あるいは職人に弟子入りすれば最低限の礼儀は当然ですが、八郎が弟子を取るシーンでは二人の弟子が師匠の前で喧嘩してばかり。粘土を手にとるシーンもなく、辞めた後には師匠の家に盗みに入る、というあきれた展開でした。

 たしかにこれでは、ストーリーを回すがために陶芸の仕事を使っている、というご立腹の声も聞かれそう。特に信楽焼は自然釉が基本で土に特徴があるだけに、そうした地域特性が全く伝わってこない、という指摘も真摯に受け止める必要がありそうです。

●筋立てがダイナミックさに欠けるという指摘

「恋人を連れてきた」「夫婦が離婚しそう」「捨てられた」「カップルになりそう」と細々した恋愛エピソードは頻発するけれど、時代性や暮らしぶり、人としての成長と格闘といった骨太な物語が物足りない、という指摘です。恋愛話は脚本家の好みかもしれませんが、全国に毎日放送される天下の朝ドラですから、もっとダイナミックな展開を見たい、という感想も聞かれます。

関連記事

トピックス

オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙
「高級外車に乗り込んで…」岐阜・池田温泉旅館から“夜逃げ”したオーナーが直撃取材に見せた「怒りの表情」 委託していた町の職員も「現在もまだ旅館に入れない」と嘆き
NEWSポストセブン
記者の顔以外の一面を明かしてくれた川中さん
「夢はジャーナリストか政治家」政治スクープをすっぱ抜いた中学生記者・川中だいじさん(14)が出馬した生徒会長選挙で戦った「ものすごいライバル候補」と「人心を掴んだパフォーマンス」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博内の『景福宮』での重大な疑惑が発覚した(時事通信)
《万博店舗スタッフが告発》人気韓国料理店で“すっぱい匂いのチャプチェ”提供か…料理長が書いた「始末書」が存在、運営会社は「食品衛生上の問題はなかった」「異常な臭いはなかった」と反論
NEWSポストセブン
63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志さん
《63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志》不良役演じた『ビー・バップ』『スクール☆ウォーズ』で激変した人生「自分の限界を超える快感を得ちまった」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
サッカー界のレジェンド・釜本邦茂さんが「免許返納」密着取材で語っていた「家族に喜んでもらえることの嬉しさ」「周りの助けの大きさ」
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがニューシングル『Letter』をリリース(写真・左/AFLO、写真・右/Xより)
羽生結弦の元妻のバイオリニスト・末延麻裕子さん、“因縁の8月”にニューシングル発売 羽生にとっては“消せない影”となるのか 
女性セブン
中学生記者・川中だいじさん(14)が明かした”特ダネ”の舞台裏とは──
「期末テストそっちのけ」中学生記者・川中だいじさん(14)が抜いた特ダネスクープの“思わぬ端緒”「斎藤知事ボランティアに“選挙慣れ”した女性が…」《突撃著書サイン時間稼ぎ作戦で玉木氏を直撃取材》
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
メキシコ五輪得点王・釜本邦茂さんが語っていた“点取り虫”になる原点 “勝負に勝たなければならない”の信念は「三国志」に学んでいたと語る
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴行動画に批判殺到の花井組》社長らが書類送検で会社の今後は…元従業員は「解体に向けて準備中」、会長は「解体とは決まっていない。結果が出てくれば、いずれわかる」と回答
NEWSポストセブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン
猫愛に溢れるマルタでは、動物保護団体や市民による抗議活動が続いているという(左・時事通信フォト)
《深夜に猫地面にたたきつける動画》マルタで“猫殺し”容疑で逮捕の慶應卒エリート・オカムラサトシ容疑者の凶行と、マルタ国民の怒号「恥を知れ」「国外に追放せよ」
NEWSポストセブン
大神いずみアナ(右)と馬場典子アナが“長嶋茂雄さんの思い出”を語り合う
大神いずみアナ&馬場典子アナが語る“長嶋茂雄さんの思い出”「こちらが答えて欲しそうなことを察して話してくれる」超一流の受け答え
週刊ポスト