スポーツ

野村克也さんが語った「三流・二流・一流」の違いと扱われ方

生涯一捕手の教えとは

 鋭い観察眼と深い洞察力で、多くの野球人から尊敬された野村克也氏が、84歳でこの世を去った。亡くなる直前まで野球界に対して、時に辛辣でありながらも愛に満ちた“ボヤキ”を続けてきた野村氏。本誌・週刊ポストのインタビューでも何度も、一捕手として、一監督として、現役選手や指揮官たちを叱咤した。最後まで野球と真剣に向き合い続けた野村氏の「教え」を改めて振り返る──。

 1954年に南海に入団した野村氏は、テスト生からスタートして球史に残る名捕手への道を歩んだ。自ら配球術の研究を重ね、ゼロから実績を積み上げただけに、現役キャッチャーたちへの目線は常に厳しかった。

「あんな“クセ”は、キャッチャーをやっていたらすぐにわかる。オレが相手ベンチにいたら一発だよ」

 野村氏がそう評したのは、巨人・小林誠司のリードだった(2017年4月14日号掲載)。同年のWBC開幕前に、野村氏は侍ジャパンの正捕手を務める小林の「フォークのサインの時だけ片膝を地面につかないで構える」というクセを見抜いて指摘していたのだ。それもあってか、WBC本番では小林のクセは改善されていた。

 キャッチャーというポジションへの強いこだわりにこそ、野村氏の野球観が現われていた。本誌2016年1月1・8日号掲載のインタビューの取材では、こんなふうに話していた。

「野球は筋書きのないドラマといわれるが、その筋書きを書くのが捕手。データを駆使し、試合前の打者分析から捕手の仕事が始まる。その分析をもとに、試合中も全打者がテーマとする変化球の対応を見ていく。スイングや見逃した時の反応などから1球ごとに観察、洞察、判断を繰り返す。そうやって、“いかに打ち取るか”という最終的な答えに導いていく。一方で、この相手ピッチャーなら何点奪えるかを頭の中で仮定し、何点勝負になるかを考えながらゲームを進める。だから、捕手は脚本家でなければならない」

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン