本来、番組が存続するか否かは視聴率の問題が大きい。『おじゃMAP!!』はゴールデン帯ながら最終回の視聴率5.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)であり、2017年以降2ケタ獲得回はなかったため、打ち切りは致し方なかった。しかし、『スマステ』は土曜23時台ながら7%前後を記録しており、2ケタに乗る回もあった。合格点の数字と思われるため、違和感が残った。
だが、3人が独立する際の“ジャニーズ事務所を退所すると、芸能界で不利になる”という論調は、その後、徐々に変わり始める。
昨年7月、公正取引委員会がジャニーズ事務所に対して、稲垣、草なぎ、香取の3人を出演させないようテレビ局に圧力をかけた疑いがあるとして、調査していたと報道された。その約2か月後、錦戸亮が関ジャニ∞の脱退、事務所の退所を発表。『サンケイスポーツ』は公取委調査のニュースを記した後、こう続けた。
〈事務所は「圧力などをかけた事実はない」と全面否定しており、今後所属するであろう錦戸をマネジメントする事務所がしっかりとしていれば、テレビ画面から錦戸が消えることはないだろう〉(2019年9月6日付)
一方、同日付の『報知』は公取委調査の話題を書いた後、1年前と同じような視点で綴った。
〈ジャニーズに限らず、実際に圧力がなくとも、前所属先のタレントとは共演しないことがほとんど。俳優として活躍できる場は限られる。過去の例を見ても、それは本人も承知の上での決断。錦戸の覚悟がうかがえる〉
錦戸の退所発表から半年弱、今度はSMAPのリーダーだった中居正広が独立を公表。中居自身が2月21日の会見で「番組は継続させてもらいながらだと思います」と話した。翌22日のスポーツ紙も〈中居は今後もレギュラー番組を原則そのまま継続する予定〉(日刊スポーツ)などと報じ、会見全体も好意的に扱った印象だ。
『デイリースポーツ』が〈今後も適任者が見つかるまではジャニーズ事務所の現マネージャーが窓口となる。退所会見に事務所関係者が集結し、温かく見守るなど円満退所は明らか〉(同日付)と書いたように、スポーツ紙はまだ中居がジャニーズ事務所と関係性があると判断し、ポジティブに取り上げているという見方もできる。