中韓からの入国制限が行なわれた現在、店主はどう感じているのか。再び店を訪ねると、出てきたのが冒頭の言葉だった。店主はさらに続ける。
「中国政府は国民の団体旅行を(1月27日時点で)禁止していたけれど、日本の対応は後手に回っている。WHOも今頃になってパンデミック(感染爆発)と言い始めましたが、とにかく遅いと思います。
未知のウイルスなので誰も治せないことは分かっていた。ならば、経済が多少停滞しても、初期の段階から国内外の渡航を禁止しておけば、こんなことにはならなかったのではないか」
箱根への観光客も激減する中、営業への打撃も深刻だという。
「箱根の観光客が減って店の客足も遠のいています。ウチのような零細業者もそうですが、旅館は非常に厳しい。
中国人向けに商売をしていた旅館が倒産し始めている。箱根の老舗旅館には素泊まりを5000円を切る安さで出しているところもある。そういう悲鳴を知ってか知らずか、人の密集する場所には行くなと言って経済に打撃を与えているのは政府だと思います」(同前)
感染症学が専門の山野美容芸術短大客員教授・中原英臣氏(医学博士)は「店主の主張には頷ける」と話す。