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近鉄パールス消滅の危機を救った関根潤三さんの打者転向

投手としてだけでなく、打者としても活躍した関根潤三さん(写真:時事通信フォト)

 戦後の混乱期にプロ野球選手となり、近鉄で投手、打者として活躍した関根潤三さんが4月9日、老衰のため逝去した。93歳だった。

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)以前の“元祖・二刀流”としても知られる関根さんは1950年、近鉄パールスに入団。2リーグに分裂した同年、セ・リーグは8球団、パ・リーグは7球団でスタートした。1951年2月、セの西日本パイレーツがパの西鉄に吸収され、セも7球団に。翌々年2月には松竹ロビンスと大洋ホエールズが合併し、セ・リーグは6球団制になった。一方のパ・リーグは拡大路線で人気アップを画策し、1953年12月に新球団として高橋ユニオンズが誕生した。野球担当記者が話す。

「パ・リーグは球団増のため、戦力差が如実に現われました。7球団制の1953年は優勝・南海と最下位・近鉄の差が22ゲームでしたが、8球団制になった1954年は優勝・西鉄と最下位・大映の差が46ゲーム、翌年は優勝・南海と最下位・トンボの差が57ゲーム、翌々年は優勝・西鉄と最下位・高橋の差が45.5ゲームと格差は開き、いわゆる消化試合が激増。1試合の平均観客動員数は7球団制の1953年には8275人でしたが、8球団制になってから徐々に落ち込み、1956年には4950人にまで減少。セ・リーグの半分以下になっていました」(以下同)

 1957年2月のオーナー会議で、球団数削減案が飛び出る。3年前、新規球団として迎え入れられた高橋ユニオンズがその対象となり、キャンプ中の2月25日、大映スターズとの合併が決まってしまう。これによって、大映は『大映ユニオンズ』と球団名を変更した。しかし、高橋の選手は各球団に散らばっており、合併とは名ばかりの解散、消滅だった。新規参入も削減も、大映のオーナーである永田雅一氏を中心に話は進められており、彼はパ・リーグ7球団ではなく6球団にしたい意向を持っていた。

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