撮影地の住宅の前には花などがたむけられていた
燃えさかる炎上から目を背けながら、薪をくべ続けた結果、22才という若さで1人の女性が命を落とした。
このようなリアリティー番組の負の連鎖は日本だけではないと、国際ジャーナリストの山田敏弘さんが指摘する。
「海外では以前から、リアリティー番組出演者の自殺が問題になっています。イギリスでは2016年から2019年にかけて、『ラブアイランド』という恋愛リアリティー番組から3人もの自殺者を出しています。韓国でも同様の番組で、実際とは異なる“友達のいないかわいそうな子”という設定を制作側から押しつけられた女性が、2014年に撮影現場で命を絶っています」
今回、『テラハ』で起きた不幸は、過去の事例から学んでいれば未然に防げていたのかもしれない。
花さんはとにかく周囲の期待に応えようと頑張っていた。
「相手と呼吸を合わせ、真剣勝負をエンタメに昇華させるプロレスラーという仕事をしていた彼女は、制作サイドによる演出指示の期待に、プロとして応えようと頑張りすぎたのかもしれません。誇張された自分を演出することに必死で、自身の心の疲労に極限まで気づけていなかったと思うと、リアリティー番組の闇を感じざるを得ません」(前出・テレビ局関係者)
当のフジテレビは、「撮影の都合で場所などについて出演者と事前に協議することはございますが、出演者の意思や感情に沿わないような演出をしての撮影はございません」(企業広報室)と答えた。