「自称・元海軍将校で戦争中は『アジア解放』の使命を軍部から命じられ、戦後は政治家の密命を帯びて世界中を飛び回っていたと。すべてがそんな調子で、娘がカイロ大学を出たのも、『自分が新たな大東亜共栄圏建設のために世界を歩いた結果のコネクション』なんだという。

 ただ、地に足はついていないが、本人なりに真剣に政治のことを考えていた人だった。唐突に電話をかけてきて、『いま私が総理大臣だったらこうする』という話を延々と聞かされた」

 石原慎太郎氏が1968年の参院選全国区で出馬すると、勇二郎氏は関西地区の責任者となってトップ当選させ、自分も1969年の総選挙に旧兵庫2区から立候補する。

 自民党の公認は得られず、石原氏の政治団体「日本の新しい世代の会」を看板に無所属で戦ったが、結果は約7000票で惨敗した。泡沫候補だった。小池氏が甲南女子高校2年のときだ。

 このとき、勇二郎氏の選挙を手伝ったのが、後に自民党から選挙に出て防災担当相となる鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)氏と、石原氏の秘書から副知事を務める浜渦武生氏だった。

◆父の人脈を蹴落とした

 世襲議員は選挙に出るにあたって親から地盤、看板、カバン(政治資金)を受け継ぎ、世襲でなければ有力政治家の秘書を経験したり、地方議員から国政をめざすなど、いずれも地縁血縁人脈をフルに使って当選を目指すのが常識である。

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン