国内

南海トラフ地震の経済被害は220兆円 次は2035年±5年?

巨大地震が危惧される南海トラフについて議論した室井氏と鎌田氏

 今、専門家の間でもっとも懸念されている自然災害は、今後30年以内に70%の確率で来るとされる南海トラフ巨大地震だ。ひとたび起きればその被害は東日本大震災の10倍以上と想定される。そうなったら、一体どうなってしまうのか。かねてから地震活動を注視する女優・室井滋さんが、不安と疑問を胸に訪れたのは、京都大学大学院人間・環境学研究科教授で地球科学の専門家、鎌田浩毅さんの研究室だ。室井さんが、鎌田教授に南海トラフ地震について聞く。

室井:もう、すぐにも富士山が噴火するなんていう記事もチラホラ見かけるので、すごく不安なんですけど、その可能性もあるんですか?

鎌田:いや、噴火するとしたら南海トラフ巨大地震の後でしょう。「3.11」でマグマ溜まりが揺すられて、直後の直下地震で天井にヒビが入っても噴火しなかった。だけど、次に大きく揺すられた時に噴火する可能性は非常に高い。次の巨大地震はマグニチュード9クラスですから。宝永噴火も、南海トラフで起きた宝永地震の49日後に起きました。

室井:どうして富士山噴火と南海トラフ巨大地震が連動するんですか? 地震に興味があるのでいろいろ記事も読むんですが、8月か9月にも南海トラフ巨大地震が来て、それに付随して噴火も起きるんじゃないかって話もありますよね。だから私は今日、それを伺いに来ちゃったんです。

鎌田:ぼくが一生懸命言っているのは、今じゃないですよってことなんです。まず、なぜ2つが連動するのかというところから説明しますが、富士山は南海トラフの東端の駿河トラフと、相模トラフを陸上へ延長した線の交点にあるんです。プレートとプレートの境目にあるから、マグマの供給量が多くて、噴火の量も大きい。だから日本一の山なんですよ。

――日本列島は、4枚のプレートが関わってできている世界でも稀な場所だ。東の沖合では海側の太平洋プレートが陸側の北米プレートに沈み込んでいて、そのたわみに耐えきれなくなると、陸側のプレートが元に戻ろうとして跳ね返る。こうして発生したのが東日本大震災だった。一方、南の沖合ではフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込み、駿河湾から四国・九州の沖合まで連なる南海トラフを形成している。ここを震源域に発生するのが南海トラフ巨大地震だ。

あわせて読みたい

関連記事

トピックス

佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
若隆景
序盤2敗の若隆景「大関獲り」のハードルはどこまで下がる? 協会に影響力残す琴風氏が「私は31勝で上がった」とコメントする理由 ロンドン公演を控え“唯一の希望”に
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン